溺愛協奏曲
「まったく・・・・始業式にも出ないで二人でさぼって何してたんだよ」




「拓巳、聞くのは野暮ってもんだよ・・・まあ何してたのかはなんとなく

想像つくけどね、莉子ちゃん?」




「へ?あ・・・あたし・・・あの・・ごめんなさい」



真っ赤になって俯くあたしをよそに蓮は膝枕で爆睡中




結局、蓮とあたしは始業式が終わってしまったので教室に向かいHRで担任の先生の




話と連絡事項などを聞いて帰ってきた




校舎は同じでも蓮とは学年が違うので一人で新しいクラスへ向かうと突き刺さる



ような視線・・・・あ・・あたし何かしたかな?



もしかしてスカートめくれてる?なんて思って確認したけど変なところなんてないし・・・・




何故か注目の的のあたしはHRの後逃げるように教室を後にして蓮と一緒に



溜まり場へと急いできたわけで・・・・




久々の学校で疲れたのかソファに座るなり膝枕を強要されて今現在こんな状況・・・




今まで女子だけだったのに急に共学になったもんだから何だかすごい違和感あるし




男子が居るってだけで女子も今まで以上にヘアやメイクに気を使っているのが分かる




すっぴんで髪もなんにもいじってないストレートでいつもと同じなんてのは



たぶんあたしだけなのかも・・・




それなのにこんなに注目を浴びるのはやっぱり蓮と居るからかな?




「莉子ちゃん困らせてしまったみたいでごめん、蓮と一緒にいると

いい意味でも悪い意味でも目立つし一緒にいる莉子ちゃんが大変だと



思うけど見捨てないでやってよ、こんな風に安心しきって眠るなんて


今までなかったし、たぶん莉子ちゃんのこと信頼してるし大好きだから



こんな風に眠れるんだね・・・」




「涼くん・・・・」




「蓮は・・・・こいつは、どんなに眠くても信頼してる奴が傍にいない限り


眠らない、自宅以外でこんなにぐっすり眠ってる蓮久々にみたかも・・・・


これだけ爆睡してるってことは莉子ちゃんのこと信じ切ってるってことだよね」



ふっと柔らかく微笑む涼くんの眼鏡の奥の瞳が優しく笑った






























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