溺愛協奏曲
溜まり場のリビングへ通されるとすでに皆勢揃いしていて・・・



茜ちゃんと片山勇次が並んでソファに座っていた




久しぶりに見る茜ちゃんは腰まであった長い髪をショートカットにして




ただ黙って俯いたまま・・・なんか、茜ちゃん痩せた?




そう感じられるほど茜ちゃんはやつれて小さく見えた




あたしが来たのはわかってるはずなのに顔を上げようとはしない茜ちゃん




蓮とあたしが向かいのソファに座ると茜ちゃんの肩がぴくりと揺れた・・・様な気がした




ただ、座ったまましばらく誰も口を開こうとはしない




口を開いたのは意外にも赤い髪の関西弁男




片山勇次だった



「茜、黙ってたらあかんやろ!前に進むためにも東條の姐さんに言いたいこと

あるんやろ」




「・・・・・・・」




それでも何も言わず黙ったままの茜ちゃん



なぜ何も言わないの?



なにかあたしに言いたいことがあるんじゃないの?



心の中であたしが問いかけていると蓮が痺れを切らしたのか机を蹴とばした



「おい!茜、呼び出したのは莉子に何か言いたいことがあるから

呼び出したんじゃねえのか?話がないなら帰るぞ」



蓮はあたしの腕を掴むと立ち上がった









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