溺愛協奏曲
第24章
「知っての通り、あたしは極道の娘で自分の親の職業の為か


子供の頃から恐れられたり、蔑まれたりなんてことは日常茶飯事



だから、女友達なんてお兄ちゃん目当てで近づいてくるやつとかが


ほとんど・・・友達になったとしても所詮上辺だけ・・・・



だから近所に住んでた蓮とは同じ境遇なのもあってすぐ仲良しになった



俺様で喧嘩っ早い蓮もあたしには優しくて、いじめられてたりすると



ぶっきらぼうだけど必ず助けてくれた・・・・だから好きになるのに



そんなに時間はかからなかった・・・けど、蓮のお父さんが再婚したころから



蓮は少しずつ変わっていった、女の人を極度に嫌うようになって・・・・




昔から格好よくてすごくもててたけど蓮は誰とも付き合わなかった



でも、抱いてくれるだけでいいなんて女は山ほどいて、蓮はそんな女たち



が自分の元に来るのを拒みもしないで抱いてたみたい・・・でもどんなに



泣いてすがっても一回抱くだけ・・・・・自分の女になんて決してしなかった



あたしは、そんな女たちに嫉妬もしたけど心の中では安心してた



蓮は本気の女は作らない・・・・いや、作れない



蓮は、あたしにだけは本当の笑顔を見せてくれる、だからあたしのことも



時が経てばきっと女としてみてくれる・・・・そう信じて疑わなかった



だから、莉子のことを聞いたとき耳を疑った、ありえない!



あの蓮が一目惚れなんて・・・・」



茜ちゃんはそうつぶやくと拳を握りしめ俯く




しんと静まり返った部屋に蝉の声だけがやけに耳に響いてきた




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