溺愛協奏曲
「でも・・・・あの時気が付いたの、蓮が助けに来たとき


あんなに必死で切羽詰まった蓮初めて見た・・・・



あの時思った、ああ敵わないってあたしじゃ駄目なんだって



蓮の口から出た言葉は誰の名前でもない莉子の名前だった



その時にやっと気が付いたの・・・あたしなんてことしちゃったんだろって」




「茜ちゃん・・・・・」




「莉子、許してもらおうなんて思ってないけどあたし莉子のこと好きだった


こんなあたし許さなくてもいいから・・・ううん許さないでほしい


だから何されても文句言わないから莉子の好きにして!殴られても蹴られても



文句は言わないから」





そう叫ぶように言うと深々と頭を下げた




茜ちゃんのしたことは許せないけど・・・




そんなことになったのは蓮への一途な思いがあったわけで




それが違う方向へ行ってしまっただけなのかもしれない




甘いかもしれないけど前に進むためにもこうするしかない




っていうか、咄嗟にこんなことしか頭に浮かばなかった



あたしは茜ちゃんの前に立ちはだかると腕を掴んで無理矢理立たせる



パンっと茜ちゃんの頬を思いっきり叩くと一瞬よろめく




茜ちゃんは目を見開いて驚いたようにあたしを見つめていた















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