溺愛協奏曲
「茜ちゃん、この件はもうこれで終わりにしよう・・・・


充分気持ちは分かったし、もうこの件に振り回されるの嫌だから」




「莉子・・・・・」




「まだ許せないって気持ちはあるけど引っ叩いてすっきりしたしね」



「莉子・・・ありがとう、でもあたし未練がましいかもしれないけど


こんなに好きだった蓮のことそう簡単には忘れられそうもないの・・・


あっ・・・勘違いしないで、もう二人にどうこうするつもりはないから


それは誓っていうけど・・・だから、二人のこと笑って見られるように



気持ちが少し落ち着くまで学校休学することにしたから・・・・」




茜ちゃんはそう言うと涙を拭って立ち上がった


真っ赤に腫れた目は痛々しかったけどどこか吹っ切れた様子の茜ちゃんにあたしは



ほっと胸を撫で下ろしていた



「蓮も莉子も凄い迷惑かけちゃって本当にごめんなさい


こんなこと言っても信じてもらえないかもしれないけどあたし莉子のこと



結構好きだったよ、蓮の彼女じゃなかったらいい友達になれたと思う・・だから


今度逢うときはすっごいイケメンの彼氏連れてくると思うから楽しみにしてて



じゃあ、また」




ひらひらと手を振って足早に溜まり場を出ていく彼女



ドアノブに手を掛けるとそれまで黙っていた蓮が口を開く



「茜・・・!ちょっと待て」











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