溺愛協奏曲
「莉子・・・大丈夫か?よかったのか・・・これで」



「うん・・・吹っ切れたっていうかすっきりしたって思う」




ニッコリ笑うあたしの頭を優しく撫でる



心配そうな蓮の瞳がやっと本当の笑みに変わった



「じゃあこの件はもう終わりだ莉子・・・拓巳も涼も今日は悪かったな」



「ふ~いいよいいよ!聞いてて疲れちゃったけど・・・茜ちゃんなりに


色んな思いがあったんだね・・・俺、茜ちゃんは蓮のこと好きなのかなって


思ってた時機もあったんだけどはずれじゃなかったんだね・・・」




「拓巳も気付いてたのか・・・・でも人を好きになるのってある意味


それだけで奇跡的なことでお互いが好きあってるってことは本当に奇跡の塊みたいなもん



なのかもしれないな・・・・」




奇跡の塊・・・・




涼くんの言うとおり本当にそうなのかもしれない、この世の中には何億という人がいるのに



たった一人のひとを好きになるのだから



そんなにも好きだった蓮のことを茜ちゃんは忘れることができるんだろうか



好きだって思いを消すなんてことできるのかな



あたしなら一人の人を愛おしく思う思いを消すことなんてできない



たぶんその思いを抱えたままなのかも・・・・



じゃあ行き場のない思いはどこに行けばいいんだろう



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