溺愛協奏曲
「どうしたの・・・・?」




「いや・・・莉子のパワーを充電しようと思っただけだ」




耳元に囁くように呟くとこめかみにそっとキスをする



後ろから抱きしめてあたしの手をそっと握りしめる手はとても暖かい



それだけであたしの心は満たされるから不思議



あたしこそ蓮からパワーをもらってるよ




「大丈夫?あたしのパワー充電された?」




「ん?まだ少し足んねえかも・・・・」




「えっ・・・足りない?」





「ああ、全然足りねえ・・・・」



そう呟くと軽く啄むようなキスを繰り返す



あたしは蓮に翻弄されたままこの身を委ねた



蓮の心が少しでも軽くなればいい




そんなことを思いながら蓮のシャツをぎゅっと握りしめる




まるで世界が二人でだけであるかのようにただ抱きしめていた



蓮の不安が少しでもなくなるように・・・・




すると突然リビングの部屋をノックする音



あたしははっと我に返り蓮と見つめ合った



「莉子さんきゅ、充電完了だな」




「・・・・・もうっ、蓮ってば・・・」



真っ赤になって俯いていると組員さんの声



「若、玲奈さんが来てますが通していいですか?」




「ああ、リビングに通せ」




組員さんが去っていくとあたしを膝の上に乗せたまま再び蓮が耳元で囁いた



「莉子はずっと俺の傍にいてくれよ」




切なげに呟くと再び強く抱きしめたまま・・・・




いつもと違う蓮に戸惑いを感じていると力強くリビングのドアがノックされた







































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