溺愛協奏曲
「お前、なんで家になんか呼び出すん・・・・・」



リビングのドアの前に立っていたのは呆然と立ち尽くす龍斗さん



固まったまま目線は玲奈ちゃんを驚きの表情で見つめている



あたしはどうしたらいいかわからずにおろおろ立ちつくすだけで・・・




「れ・・・・玲奈!?玲奈なのか?蓮・・・これはいったいどういう・・」




「どうもこうも見ての通りだ、あの時死んだはずの玲奈は実は生きていたって

ことだ」



蓮が龍斗さんを真剣な眼差しで見つめたままゆっくりと話し出す




龍斗さんは混乱しているのか頭を抱えていた




「頭が混乱してて全然わかんねえ・・・ってかお前あの時玲奈は死んだって

言ったよな?じゃあお前は嘘ついてたってことなのかよ、俺がどんだけ苦しんだと



思ってんだ?てめえは俺が苦しんでんの見て笑ってたのかよ」




「違う!違うの・・・・龍、全部悪いのはあたしなの!」




胸倉を掴んで殴りかからんばかりの龍斗さんを制するかのように



玲奈ちゃんの叫びが部屋に木霊する





涙を流してその場に座り込んでしまった彼女の背中をあたしはそっとさすった



そんなことしか出来ないあたしは本当に無力でしかなくってただ悔しさだけが



込み上げてきた
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