溺愛協奏曲
毛先をアイロンでふわっと巻かれて目元にはメイド服と同じ緑のアイシャドウ



アイラインを引いて頬紅はうっすらピンク、唇にはサーモンピンクの口紅をした



見た目だけは大人の女・・・・の自分




もともと派手めの顔だからあんまりメイクするとほんとにケバクなっちゃうから




普段ほとんどメイクはしないあたし




蓮・・・・なんていうかな




可愛いって言ってくれるかな





そんなことを思いながら教室へ入ると、どよめきと刺さるような熱い視線に後ずさりする




え・・・・あたしそんなに変?




うろたえて玲奈ちゃんの後ろに咄嗟に隠れる





なんかみんな食い入るように見てるし・・・・そんなに変かな?




あたしは下を向いたまま玲奈ちゃんの服の裾をそっと握りしめた



「莉子ちゃん?え・・・どうしたの?」




「みんななんか・・・・見てるし////もうやだ、早く脱ぎたい」




「莉子ちゃんってば~なんか勘違いしてるし見てるのは莉子ちゃんが綺麗だからだよ

自信持って!さあ開店だから頑張って接客しよ」



「うん・・・・そうだね」




玲奈ちゃんに気合を掛けられ腹をくくっていざ出陣



クラスの女子と交替で接客したけど慣れないせいかどっと疲れが押し寄せる




それはたぶん手を握られたりアドレスを聞かれたりするから・・・




もう~断るのもいい加減疲れるし早く終わって欲しい



なんて思いとは裏腹にメイド喫茶はあたしを指名する客で



溢れてる・・・・なんてことは知るよしもなく接客に追われた























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