溺愛協奏曲
「おい、いい加減離せ」




「あ?なんでてめえにそんなこ・・・「痛い目に合わないとわからないようだな」」




眼力だけで殺せるとはこのことだろう



その位この人の見つめる瞳は冷ややかで教室中がしんと静まり返る




金髪と銀髪の男二人は蛇に睨まれた蛙のように固まったまま動かなかった




「おまえら、この二人どうにかしろ」




「はっ、かしこまりました」




すると何処から湧き出てきたのか廊下から数人のスーツの男たちにあっという間に




囲まれて・・・・あの男二人は引きずられるように連れて行かれた




な・・・・なんなんだ




今のは何だったの?ってかこの人は・・・・誰?





連れて行かれる男たちを目で追っていると背の高い王子様と目が合う



ニッコリ微笑むその姿はまさしく王子様




さっきのオーラはどこにもなくて微笑むその顔は慈愛に満ちている



・・・・ってあたしってば助けてもらったのにお礼も言ってないし!



「あ・・・・あのありがとうございました!助けていただいたのにあたし・・・

ってばお礼も言わないで」



「いいんだよ、そんなことより莉子が無事でよかった・・・」



そう言って頬をそっと撫でる彼の瞳は吸い込まれそうに深いブラウンの瞳



頬が熱くなるのがわかって思わず俯いた



・・・・・え?まって今、あたしの名前・・・この人言ったよね?



名札には苗字しか書かれてないのに・・・なんで?












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