溺愛協奏曲
・・・で連れてこられたのはあたしのクラスの隣にある空き教室



今日は特別に更衣室として使わせてもらっている



その更衣室に入るなりクラス委員の鮫島さんに掴まってしまった



一色即発の押し問答の末、何故か蓮があたしの抜けた穴を埋めるため




あたしの代わりをすることに・・・・・え?なんでこうなるの?



蓮って学年違うし、もちろんクラスも違うしそんなのいいのかな?



「稼ぎ頭の高遠さんに抜けてもらっちゃ困るのよ、でも東條先輩が

高遠さんにどうしてもやってほしくないみたいでだったら先輩が


かわりにやってくださいって言ったら二つ返事でОKだったのよ


だから頼んだだけなんだけど・・・駄目だったかしら?別に他のクラスの


助っ人しちゃ駄目ってことも特に言われてないしこれでうちのクラス


トップ確実?かも」




黒縁の眼鏡を掛けて肩まで伸びた長い黒髪をなびかせながらクラス委員である



彼女、鮫島さんはエプロン片手に更衣室を出ていく




その姿を見つめるあたしと蓮



鮫島さんって・・・委員長って名前なんだっけ?あ~思い出せないあたしって馬鹿だな



でも彼女、頭いいんだよね・・・・確か必ずベスト3に入る位の成績で運動神経も抜群




だったはず、才女で有名だよね・・・そんなことを考えていると背後から人の気配



突然、頭をくしゃくしゃっと撫でられた



「こら!お前はなにやってんだよ、ったく・・・なんでナンパなんてされてんだよ


ちょっと目を離すとすぐ変な虫が寄ってきやがるし、そんなメイド服着るなんて


俺、一言も聞いてねえんだけど・・・・」



たいそうご立腹の蓮が怒りのオーラを滲ませて目の前に立っていた






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