溺愛協奏曲
「似合いすぎて・・・綺麗すぎて、誰にもみせたくねえ・・・お前全然わかってねえし


俺が今日、莉子のその姿みてどんだけどきどきしてっかお前全然分かってねえだろ?」




え・・・・どきどきって・・




あたしのほうが・・・・いつもと違うスーツ姿の蓮を見てどきどきしてたのに・・・




他の人がたぶんスーツとか着ててもなんとも思わないのにこんなに胸がどきどき




するのはたぶん蓮だから・・・・




あたしが蓮を大好きだから・・・



「あ・・・・あたしだってどきどきしてるし・・・スーツ姿の蓮って

初めて見たけど違う人みたいで・・なんか緊張する」




「なんだよそれ・・・どんな格好してても俺は俺だ


でも、莉子がそんなにどきどきすんなら毎日スーツ着てやるけど?」




「え・・・そんなの無理でしょ?あたしの心臓もたないよ」




「ふっ・・・・大袈裟だな、莉子は・・・ところでひとつ聞きたいことあんだけど」




真顔になった蓮はあたしを見つめると更衣室の椅子に座り足の間に座らせた




ぎゅっと強くウエストに腕を回した




耳元で静かに話し出す




「莉子を助けたあの男、莉子の何なんだ?」



蓮の低い声だけが耳元に木霊していて、いつもと違う態度に戸惑うあたしがいた


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