溺愛協奏曲
制服に着替えて更衣室を出ると廊下には沢山の人




たぶん他校の生徒だろうか、見慣れない制服や私服姿の人も沢山いる



そのなかでも一際目立っている人物あり




あたしに目を止めると手招きをして名前を呼んだ



「莉子・・・!」




「蓮・・・・」





な・・・なんかすごく行きづらいんですけど・・・



蓮の一言で周りにいた女の子たちがさっと避けたかと思うと正面に道が出来る



突き刺さるような視線と注目を浴びている事実に冷や汗が流れる




こ・・・・ここを通れと?



嘘でしょ?なんでこんなに注目浴びてんの?




「なにやってんだ、着替えたんなら早く来い」




「う・・・うん」




あたしが頷くと同時に腕を強く引かれ教室へと入る



その様子を見ていた女の子たちから歓声が上がった



「きゃああああっ//////」




「あれが蓮様?かっこいい~っ」




「あの子誰?蓮様の何なの?」




色々な声が聞こえるけどすべて無視して教室へと入る



まだ、準備中の札を下げているからお客さんは誰もいない




あたし達を見つけるとクラスの男子が全員頭を下げる



女子は頬を赤く染め歓声を上げたり遠巻きに見ていたりと様々だ



すると眼鏡を直しながら鮫島さんがあたし達のもとに走ってきた



「あっ、東條先輩こっちです!今から二時間くらいお願いしてもいいですか?

もう、ケーキも残り少ないし飲み物もあと少しなんでそれくらいで終わると思うんですけど



あとこれ、上着脱いで着替えてください!男子はタキシードにしたかったんですけど


予算の関係でエプロンなんです・・・お願いします!」



クラス委員の鮫島さんは一気に捲し立てる



忙しそうに裏方に消えていく彼女をぼーっと見ているといつの間にか目の前には



制服姿の玲奈ちゃんが微笑んでいて、蓮はエプロンをじっと見つめたかと思うと



さっと上着を脱いでエプロンに着替えた























































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