溺愛協奏曲
「やっとみつけた・・・・どこに行ったのかずっと捜してたんだけど


こんなところにいたのか・・・」




「慎ちゃん・・・・・」





息を切らしてあたしの前に立つ男性は紛れもない慎ちゃんで・・・




あの頃の泣き虫で甘えん坊の慎ちゃんはどこにもいなくて男らしい体つきの



背の高い紳士が目に前に居た




でも・・・・慎ちゃんって一つしか年が違わないのになんだか大人っぽい




チビなあたしは見上げるようにして慎ちゃんを見つめた




「あ・・・あの、もしよければ三人で一緒に回りませんか?


あたし・・・莉子ちゃんと同じクラスで玲奈って言います!宜しくお願いします」



「よろしく、玲奈ちゃん!僕と喋るとき敬語使わなくていいよ


ひとつしか年は違わないんだし・・・・ね?」



「え・・・?ひとつしかって・・・・えーーーーーっ」




高校生だってことにかなり驚いた玲奈ちゃん



そんな玲奈ちゃんは慎ちゃんの苗字を聞いたとたんピクリと反応して




固まった・・・・・・。




「りゅ・・・・龍音寺って・・・・あの・・・龍音寺?」



ぱくぱく口を開けながら玲奈ちゃんは目を丸くしている



・・・・・ん?玲奈ちゃんどうしたんだろ?




心底驚いてる玲奈ちゃんをあたしはただ黙って見つめていた











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