溺愛協奏曲
「さあ・・・莉子のクラスはどこだったっけ?さっき来たけどもう忘れちゃったよ

早く案内して」



しんみりしてしまった空気を打ち消すかのように明るい声が響く



慎ちゃんって変わらないね



いつだって周りを気遣うっていうか・・・優しいんだよね




いつでも優しかった子供の頃の慎ちゃん




変わらない彼の笑顔と優しい気遣いに胸が熱くなった



「そうだよ・・・莉子ちゃん!早く行こう、蓮兄待ちくたびれてるかも」



「そうだね、慎ちゃん行こう!」




あたし達は自分のクラスに向かって三人で急いだ・・・・んだけど



「な・・・なにこれ?」





「うわっ・・・・女の子で一杯だね~これはこれは・・・」




「莉子ちゃん・・・うちのクラスどうしたって訳?」





長蛇の列のクラス前



女の子たちの長い行列の先には汗を流して整理券を配る委員長の姿




列を整理して歩く男子と駆けずり回る数人の男子



教室をそっと覗くと黒いエプロン姿でニッコリ微笑む金髪のイケメンあり



ニッコリ微笑むその姿はたぶん・・・・いや、誰もが虜になるだろう




「莉子ちゃん・・・・あれ、誰?蓮兄だなんて言わないよね」



「たぶん・・・蓮に間違いないと思う」




それくらい極上の笑みを浮かべ紳士な態度で接客するいつもとは違う蓮がそこに居た
















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