溺愛協奏曲
今から思えばその日は蓮の様子が変だった



あたしの自宅まで車が到着するといつもなら手を振ってバイバイって感じで




お互い手を振って別れるって感じなのに・・・・この日に限ってあたしを抱きしめたまま



なかなか離そうとはしなかった、抱きしめる力は痛いほどで・・・



あたしはいつもと違う蓮にとまどっていた




「蓮・・・どうかしたの?痛いし、苦しいよ」




「ごめん・・・・」




「なにかあった?」




「いや・・・何もない心配すんな、そんなことより莉子・・・」




「ん?なあに?」





「・・・・いや、なんでもねえ」




そう言って再び強く抱きしめると額に優しくキスをしてきた



この時の蓮はとっても優しそうな笑顔を浮かべあたしの髪を撫でながら



いつまでも離れようとはしなかった・・・




携帯の着信音が響いて蓮は呼び出され、名残惜しそうに帰って行く



その後のホテルでのパーティで翔くんのお祝いと同時に蓮の婚約パーティが




盛大に開かれていたなんてあたしには思いもよらなくてその日は疲れていたのか



泥のように深い眠りについた・・・嵐が吹き荒れるとも知らずに




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