溺愛協奏曲
夏の日差しもだいぶ和らいできたせいか歩いていても頬を撫でる心地よい風が




気持ちよくてあたしは歩いていた足を少し速める




あたしの心がいつになく動揺しているのが自分でもわかる



何故急に連絡がぷっつり途絶えたのか蓮に直接聞かないと・・・・




今はその思いだけで小走りに東條組への道を急いだ




するとしばらく歩くと大きな門構えの日本家屋が見えてきた




ああ・・・懐かしい・・・




ついこの間まで来ていたのになんだかとっても懐かしくてあたしはその場に立ち尽くす





蓮・・・居るかな?




なんかすごいどきどきしてるんだけどなんでだろ




久しぶりに逢うからかな?




でもここで立ち尽くしてても仕様がない




きちんと訳を聞かなくちゃ!




よしっ!あたしは自分に気合を入れると東條組の玄関へと向かった




・・・・・が玄関には数台の黒塗りの高級車が駐車しているし



なにより、外までざわざわと人の声が聞こえてくる




もしかしてお客さまかな?




あたし、まずいときに来ちゃったかな・・・




来客中なら出直したほうがいいよね



あ~でも、どうしようかな・・・・なんて迷っていると玄関の戸が突然開いた





すると中からピンク色の派手なスーツを着た女の人が出てくる




茶色のボブヘアの猫のような目をした眼の覚めるような美人と・・・



蓮が腕を組んで出てきた、あたしは縫い付けられるようにその場に固まった









































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