溺愛協奏曲
「茜ちゃん久しぶり!今日は一体どうし「玲奈はちょっと黙ってて・・・莉子に話があって


来たんだけど、何がどうなってんの?」



「あ・・・茜ちゃん何がどうなってって・・・何のこと?」



「とぼけないで!蓮のことよ!ちょっと体調崩してて久しぶりに学校来てみれば


蓮が婚約?なんなのよ!あたしがどんな思いで蓮のこと諦めたと思ってんのよ



あんな性悪女に渡すために諦めたわけじゃないし!莉子だから、諦めたんじゃないの!



莉子といる時の蓮が幸せそうな顔してるからあたしも諦められたんだもん



なのに・・・・よりによって婚約した女が坊城紗枝子だなんてどうかしてるわ!」




「茜ちゃん知ってるの?蓮兄の婚約者」




「知ってるもなにも・・・あんたたち知らないの?坊城一族って言ったら


鉄道や運輸関係はもちろん、全国にビルや土地をあちこちに持ってるし



北海道から沖縄までどこに行っても坊城の名前が付いて回るほど必ず



見かけるじゃない!ここの繁華街のビルも坊城の持ち物だし・・・・



でもそれは表の顔よ・・・莉子」



「表の顔・・・?」




「茜ちゃん・・・それはどういうことかな?」





涼くんが身を乗り出すようにして問いかけた



「坊城一族・・・・裏の世界じゃかなり有名よ、まあ裏社会のドンってとこかな・・・


極道の頂点って言っても過言ではないかも・・・その一人娘が坊城紗枝子ってわけ」



茜ちゃんは溜息をついて腕組みをした




あたしは茜ちゃんの言葉に動揺して俯いたまま黙って話を聞いていた









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