溺愛協奏曲
「莉子・・・・あんたこのままでいいの?蓮のこと好きなんでしょ?」



「茜ちゃん・・・・」




「あたしね・・・蓮とは長い付き合いだからわかるの、あんなに莉子のこと


好き好き大好きって言ってた蓮が手のひら返したように突然婚約って絶対


ありえないって思ってるんだよね・・・大体、坊城紗枝子ってどうみても



蓮のタイプじゃないしむしろ一番嫌いなタイプかも・・・他のパーティとか



であたしも一緒になったこと何度かあったんだけど蓮なんてあからさまに嫌がって


触るな!なんて言ってたくらいだし・・・・だから今回の婚約って何か裏があるように



思えてなんないのよね」



茜ちゃんは一気に捲し立てると腕組みをしたまま考え込んでいた




裏がある・・・・裏があるってどういうことなんだろう



あたしの脳味噌をフル稼働しても答えはみつからず途方に暮れていると




涼くんが口を開いて意外な人物の名前を告げていた




「裏があるか・・・そうか・・・・茜ちゃん、僕らでは手に負えないから

ちょっと内部事情を調べてもらったらどうかな?あいつに・・・」




「ちょっと待って内部事情って・・・坊城グループと東條組の裏事情ってこと?下手に動くと


坊城になにされるかわかったもんじゃないわよ!あのね!「わかってるよ・・・



高校生の僕たちが調べてるってわかったら只では済まないってことくらい


百も承知、だから警視総監の息子であるあいつに調べてもらうんだよ


茜ちゃんのこと大好きなあいつなら大丈夫だと思うんだけど・・・・駄目かな」



涼くんが眼鏡を直しながら上目遣いで茜ちゃんを見つめる



茜ちゃんは深く頷くと悪戯っぽい目をあたし達に向けるとにっこり微笑んだ




あいつって・・・もしかして・・・?










< 334 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop