溺愛協奏曲
「莉子、他の男といちゃいちゃしてんじゃねえ」



あたしの肩に手を掛けるとすかさず胸に抱き寄せる




蓮の香水の香りがほのかに漂ってきた



やっぱり蓮に抱きしめられると安心するのはなぜだろう





「あ~あ俺、莉子ちゃん狙ってたのに蓮に喰われちゃったのか~」



「あ?まだ喰ってねえ」



「まじで?じゃあ俺が喰ってもいい?」



「てめえ、殺されてえのか!そもそもお前があっちこっちの女に手えだすから
わりいんだろうが!喰うんなら他の女にしろ」



意味不明な会話をする二人に夢中で気付かなかったけど・・・・




精華の校門の前は沢山の女子生徒と白鴎の男子生徒で埋め尽くされていた



この二つの高校は近いせいもあって登下校は二つの学校の生徒が入り乱れて登校する




あたしはいつも早い時間で登校するから気付かなかったけど・・・




「きゃ~蓮様~」



「今日も素敵~」



「抱いて~蓮様」



「誰よあのブス」



「あいつ一年の高遠莉子じゃない?あの女、蓮様にまで手付けるなんて」



・・・・・・の声多数



歩いて来たのも失敗だったかも



深いため息をついていると頭上から蓮の声



あ・・・そういえば抱きしめられたままだった



「じゃあ帰り迎えにくっからメールしろ、じゃあな」



チュッとおでこに暖かいものを感じたかと思うとあっという間に去っていく二人



残ったのは精華女子の冷たい視線と雄叫びだけが残る



白鴎のトップの女、高遠 莉子の名が一瞬のうちに知れ渡った・・・・らしい











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