溺愛協奏曲
それからあたし達三人は玲奈ちゃんの家にお邪魔してガールズトークを繰り広げた



もちろん話題は当日何を着ていくか?




和服もいいしドレスも捨てがたい・・・・




ヘアメイクはどうしよう・・・などとお喋りしていると話題は尽きない




やっぱりあたしだって女の子、少しでも綺麗になりたい・・・でも・・・




「やっぱりドレスもいいけど和服を粋に着こなすってのも捨てがたいよね~」



「そうだね~でも華やかなドレスも着てみたいじゃない?どうしようかな~


ってか、莉子ちゃん聞いてる?なんか意識飛んでない?」




茜ちゃんと玲奈ちゃんのトークを何処か遠くで聞いていたあたし



やっぱり考えてしまうのは蓮のことで・・・



実際逢ったら胸が一杯で何も言えなくなってしまうかも・・・・そんな気がしてならなかった




それから心配する二人を横目にあたしは普段通りの会話を繰り広げた




たぶん二人共気付いていると思う




あたしの心が蓮で一杯で揺れ動いていることを・・・・




帰りに茜ちゃんのお迎えの車に同乗させてもらい家まで送ってもらったんだけど



ぴしゃりと一言言われてしまう



「莉子は、心の中に溜め込みすぎ!もっとあたし達に弱音吐いていいんだからね


遠慮しないでよ~じゃあね!」




茜ちゃんの言葉に少し心が軽くなったような気がする



そうか・・・・あたしって溜め込みすぎ?なのかな



自分ではそんなことないって思うんだけど・・・




甘えるのが下手なのかな・・・・自分一人で抱え込みすぎなのかな、駄目だな・・・




そんなことを思いながらひらひら手を振って黒塗りの高級車で帰っていく茜ちゃんを見送った





急いで鞄からカギを取り出しカギを開ける



お父さん帰ってるかな?きっとまだだよね・・・そうだ晩御飯どうしよう




頭のなかで献立を思いめぐらせているとなにやら背後に見られているような視線を感じた













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