溺愛協奏曲
第5章
冷たい視線とあちらこちらで飛び交うひそひそ話を無視して教室へと急ぐ




教室へ入るとそれまでざわついていた教室がしんと静まりかえった




あたしのことを噂していたであろうことは一目瞭然




別になんと言われようが構わない




今まで散々言われてきたし、なにをいまさらって感じだけど・・・・




席に座ると前の席の黒髪ショートボブの女の子が後ろを振り向いてきた



入学してから話したことがないからちょっと驚いていると一言、言い放った




「高遠さ~ん蓮様のことどうやって落としたの~?すっごく興味あるんだけど」




あたしの目の前で頬杖をつき聞いてくる彼女



落とす?落とすってなによ



あたし、落とした覚えなんてないんだけど



「亜由美~体で落としたに決まってんじゃ~ん、色々と噂の高遠さんだし」




隣の席の巻き髪の女の子がつぶやく



ばっちりパンダメイクの彼女は今日も香水の匂いが凄い



「やっぱりそっか~体張んないと蓮様は落ちないか~でも体だけの関係なら

飽きられるのも時間の問題じゃん?ってか蓮様ってなんか男として最低かも~」



「あの女嫌いの蓮様が本気になるはずないじゃん、やりたい時だけ構ってきて

あとは知らんぷりって聞いたけど~」



好き勝手言う彼女たちに心底頭にきていた



自分のことを悪く言われるのは構わないけど蓮のことを悪く言う彼女たちに




あたしは当然のごとくキレてしまった











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