溺愛協奏曲
「ここからは俺の憶測やから聞かんでもええけど・・・・


たぶん莉子ちゃんをどうにかするとか、たとえば消すぞとか脅しかけられたのかもしれん


でなきゃ、こんだけ溺愛していて惚れてる女捨てて他の女に走るとか考えられへん」



「そうよね・・・・あの蓮がこんなに好き好き言ってた莉子を捨ててあの女に


走るなんて弱みを握られたとしか思えないし・・・あの女ならやりかねないかもね



それだけ大きな存在なのよ、坊城グループって・・・・」



茜ちゃんがしみじみと考え込むように呟いた



あたしが・・・あたしが蓮にとっての弱みであったならそれは負担でしかないのかも



それならあたしは蓮から離れていくほうがいいのかもしれない



好きな人の負担になるなんて・・・・そんなの嫌だ、嫌だよ



「坊城グループってそんなにすごいのか・・・?」



「拓巳くん、あのね坊城家は政財界にも絶大な影響力がいまだにあるし裏の顔は


実質極道のトップたぶん女の一人や二人どうにかしようと思ったら・・・・



出来ないことなんてないってくらい強大なのよ」




茜ちゃんの言葉を遠くに聞きながらあたしは言い知れぬ不安に襲われて


その日は早々と家に帰るとシャワーを浴びてすぐ寝てしまった




パーティが間近に迫っていたのであたしの緊張感はピークに達したのだろう



その日もなかなか眠れずにやっと眠りについたのは朝方で・・・バイクに跨る蓮の



姿が目に焼き付いて離れなくて涙がこぼれて仕方がなかった



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