溺愛協奏曲
ホテルのラウンジに入り案内された場所の廊下にはかなりの数のヤクザさんがいた



もちろん女性は和服だったりドレスだったりと様々だけれど・・・・




一種異様な雰囲気を醸し出していてあたしは思わず後ずさりしたくなった




か・・・・帰りたい




咄嗟に思ったのは帰りたいの一言



だって思いっきり場違いだし、女の人も皆綺麗で大人の女性ばかり




高級そうなドレスに身を包みブランドもののバックを持ちたとえて言うなら



夜の蝶・・・・そんな感じの女の人が廊下に溢れ香水の香りで窒息しそうな位



それに妙に視線を感じるのは気のせいだろうか?




男性は皆、タキシードを身にまといそれぞれ立ち話をしたり煙草を吸ったりしていて



これもある種異様な雰囲気・・・・・一目見ただけでヤクザって分かるし・・・




あたしが溜息をついて立ち竦んでいると正面から見覚えのある男性三人




タキシード姿の涼くん、拓巳くん、それに茜ちゃんのお兄さんの龍斗さんが現れた




龍斗さんは側近の人を大勢従えてやってきたのでちょっと驚いちゃったけど・・・




「莉子ちゃん、久しぶり元気だった?一際綺麗で目を惹く女の子がいるなって


思ったらやっぱり莉子ちゃんだった」




「りゅ・・・・龍斗さん、お世辞でも嬉しいです」




あたしの顔・・・・たぶん赤くなってると思う



だってタキシード姿の龍斗さんめちゃめちゃカッコいいし素敵だし・・まるで王子様



こんな人が若頭だなんて信じらんない・・・




今日の龍斗さんを見てときめかない女の子なんていないんじゃないか




そんなことを思ってしまうくらい素敵な龍斗さんがそこにいた



























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