溺愛協奏曲

「お兄ちゃん遅いよ！ボディガードの二人が居なかったら玲奈と莉子大変じゃない

あっという間に食べられちゃうよ」




「ごめんな、茜・・・でも俺がこういう類のパーティ苦手だってお前も知ってるだろ


つい出るのが遅くなってしまって・・・・すまない」




茜ちゃんに対して平謝りの龍斗さん



その表情からは大関組の若頭という顔は微塵も感じられない・・・・



むしろ溺愛する妹に形無しの良いお兄ちゃんって感じだろう



「まあ、パーティが苦手ってのはわかってたことだけど今日は特別よ


でも、莉子と玲奈のドレス姿見れただけでもパーティに来たかいが


あるんじゃない？お世辞じゃないって言ってやってよ」




「莉子ちゃん・・・本当にお世辞なんかじゃないよとっても綺麗だよ、茜も、玲奈も


今日はとっても綺麗だ・・・っていうか玲奈も来てたんだね、やっぱりたまに



パーティにも顔を出すもんだな、玲奈に逢えるなんて思いもよらなかった」



そう言って龍斗さんは玲奈ちゃんを見つめ目を細めた



白いドレス姿の玲奈ちゃんはほんのり顔を赤く染めて龍斗さんを一瞬見つめたかと




思うと俯いて何も言わずあたしの隣に隠れるようにしていた




玲奈ちゃんって・・・龍斗さんのこと、まだ好きなんじゃ・・・




それに龍斗さんも玲奈ちゃんのこと・・・・




そんなことを思いながら二人を見つめていた



するとそれまで口を開かないで黙ってみていた涼くんと拓巳くんがあたし達の




傍に来た・・・・それはいつになく真剣な顔で、いつもと様子が違っていた