溺愛協奏曲
「お前言ったよな?莉子には手出さないって・・・・指一本触れないし


自分と結婚してくれさえしたら何もしないって、あの時・・・・俺の家に来たとき



組員の前で、俺の目の前ではっきり言ったよな?ところがこれはなんだよ?


指一本触れないどころか莉子の右手血だらけじゃねえか!お前が切りつけたのか?



あ?なんとか言ってみろや!!」




蓮のあまりの迫力に紗枝子さんもびびっているに違いない


そう思うくらい蓮の怒りは凄まじく・・・・・あたしは蓮に抱きしめられたままなので



紗枝子さんの表情まではわからないけれど逆らって大丈夫なのだろうか




あたしの心のなかはその思いでいっぱいで不安で不安でどうしようもなかった




でもその不安とは裏腹に紗枝子さんは蓮の問いに唖然とする言葉を言い放った



「知らないわよ!その女が転んだかなんかしたんじゃないの?変なこと言わないでよ」




「ああ?転んだだと?!じゃあここに落ちているかみそりはなんだ?


誰かほかの奴の落し物か?ふざけんじゃねえぞあんまり俺を舐めてると



痛い目にあうぞ?今まで莉子を守るためにこんな茶番演じてきたけど・・・



もう我慢なんねえ!誰がてめえなんざと婚約なんてするかよ?



今日を限りで婚約なんざ解消だ!だからお前との約束もちゃらだ」



「・・・・・・な・・・・なんですって!!そんなことしてこの極道の


裏社会で生きていけると思ってるの?坊城を敵に回したらそれこそ全国の


極道と全面戦争よ?蓮・・・あなた正気なの?そんな女の為に?」



真っ赤な顔をして拳を握りしめ体を震わせながら言う彼女



そんな緊迫した雰囲気の部屋に前触れもなくノックの音が鳴り響いた

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