溺愛協奏曲
「里香さん、驚きすぎてみんな授業にならないみたい」



「そうよねえ、まさか白鴎と精華女子が統合されるなんてねえ」




紅茶を飲みながらしみじみつぶやく里香さんを見つめながら理事長の



言葉を思い返していた



「白鴎高校と精華女子学園が統合され校名も新しく共学の高校として生まれ変わります」





理事長の一言で悲鳴と雄叫びが体育館を包んだ



泣いて喜ぶ者、文句を言いながら愚痴を言い合うもの



反応はさまざまだ



無理もない、白鴎高校といえば県下でも屈指の不良校




不安になる生徒がいても不思議じゃないよね




「でも里香さん、男子とのトラブルを避けたくて女子高にしたのに共学じゃ


なんの意味もないよ」



項垂れるあたしを見つめるとにやりと口角をあげた里香さん




えっ・・なに?




「あたしが知らないとでも思ってんの?噂、聞いたわよ~東條 蓮君なにやら


莉子がたらしこんで蓮君がぞっこんだとかなんだとか?」



にやにや笑いが止まらない里香さん、なんか楽しんでないですか?



ってかたらしこんでないし~



「里香さ~ん全然違うの~これにはね・・「わかってる、あたしが莉子のこと一番

わかってるつもりだけど・・・」」



あたしは里香さんの言い放った言葉に衝撃をうける



















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