溺愛協奏曲
「今回の統合って蓮君が莉子のためにしたことでしょ」



「・・・・・・・へ?」




「白鴎の理事長って蓮君のお父さんの東條 浩一郎さんだし、

精華の理事長は東條さんの無二の親友、加賀美 航さん、なんでも昔

族の総長と幹部だったらしくてこのあたりの不良には伝説と呼ばれるひとらしいわよ」



里香さんの言葉に呆気にとられていた



一瞬呆然としてしまったけど今回の統合があたしの為ってなぜそうなる?



「統合はあたしの為って・・・関係ないと思うけど」



「あら?そうなの?あたしてっきり蓮君が莉子と一緒に居たいがために


統合したんだと思ってたんだけど違った?それに蓮君の一声でなんか


退学させられたって女の子がいたみたいだけど一気に四人ってびっくり


しちゃったから莉子がなんか絡んでるかなって思ったんだけど」



里香さんの言葉に驚きを隠せないあたしは鞄を掴んで急いで保健室の扉を開いた




「里香さん、またあとで~」



ひらひらと手を振り廊下を歩きながら急いで蓮にメールをする




退学した4人ってもしかしてあの先輩のことだよね




聞きたいことが山ほどあるけど今日はバイトの日なんだっけ




足早に校舎をでると校門の前に寄りかかって煙草を吸う蓮が見えた



みんな横目で蓮のことを頬染めながら見ている




なにげなく横をみるとそこにはまさかの自転車が・・・・



って自転車って・・・なんでだ?



でもなんか可愛いかも




「クスクスっ・・・おまたせ~でも蓮と自転車ってなんか以外~」



ケタケタ笑いが止まらない私を見て真っ赤になり怒りだす蓮



「あ?お前がエコじゃないとか車は嫌だとか言うからだろうが、いいから

後ろ乗れ」



「あたし重いよ」



「大丈夫だ、行くぞ」




荷台に乗りそっと腰のあたりに自分の腕をまわした



六月の初夏の風が心地よかった














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