溺愛協奏曲
「へえ・・・こりゃ驚いた!翔坊ちゃんもやっぱり小さくても男なんっすかねえ

莉子さんが抱っこしたらぴたっと泣き止んだぜ」



「本当だ!さっきまでピーピー泣いてたのに・・・・げんきんな奴だな全く」




翔くんはあたしが抱っこすると嘘のように泣き止んだ



あたしの胸に顔を埋めたまま泣きつかれたのかすやすやと眠りだす




それを見ていた蓮は不機嫌そうに舌打ちをした



「ったく・・・・弟じゃなかったら一発殴りてえとこだがまだ赤ん坊


だしそうもいかねえ!いいか?翔!あと10年たってもそんなこと


するようなら幾らお前が俺の弟でも容赦しねえから覚えとくんだぞ



莉子は俺の女だから弟のお前でも絶対渡さねえからな!さあ、行くぞ」



「あ・・・・うん」




あたしは翔君をそっと組員さんに渡すとすかさず蓮に手を引かれ廊下を急いだ




蓮ってば、翔くんに何言ってんだろ



組員さんたち笑いを堪えてるし、恥ずかしくないのかな




まだ翔君は赤ちゃんなのに・・・それに蓮の弟なのに・・・・



そんなことを思っているといつの間にか蓮の部屋の前



な・・・・・なんか蓮の部屋久しぶりだからドキドキするかも



そういえばなんとなく東條組に連れて来られちゃったけどよかったのかな?




なんて思いあぐねているといつの間にか蓮の部屋の中にあたしはいた




懐かしい・・・・蓮の使っている香水の匂い、蓮の匂いがする




部屋を見渡して懐かしさにひたっていると蓮は突然あたしを抱きしめて優しく髪を撫でてくる




心臓が飛び出しそうな位驚いてどきどきしたけど蓮の胸は相変わらず暖かくて・・・・



あたしはそっと蓮の背中に手を回した














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