溺愛協奏曲
「あれからすぐ龍音寺グループの御曹司が突然きてね・・・・新しいブランドを

立ち上げるとかでサンプルを持ってきたのよ・・・で偶然莉子さんのことを話したら



これ、渡してほしいって頼まれて、今日は忙しくて渡せないから逢うんなら渡して



ほしいって・・・・」




「慎ちゃん・・・・・」




「突然だったからびっくりしちゃったけど彼・・・・かなりのヤリ手らしいわね?


それに莉子さんと幼馴染って言ってたけど、彼もしかして莉子さんのこと好きなんじゃ


ないかな?って感じたんだけどあたしの気のせい?」




「・・・・・・ちっ・・・」




紗枝子さんの一言で一瞬で空気が変わったような気がした



蓮は軽く舌打ちすると後ろにいたあたしの手をぎゅっと握った




不機嫌そうにしながらも紗枝子さんの言葉に耳を傾けている



蓮・・・・もしかしてヤキモチ妬いてる?





「そんなに不機嫌にならなくてもいいじゃない!まったく莉子さんのことになると


人が変わったようになるっていうか、余裕がないっていうか・・・・まあそれだけ



溺愛してるってことなのかしら?」



「なんとでも言ってろ!・・・・でそのレジャーランドとやらは何処にあんだよ


うだうだ言ってねえでさっさと説明しろ」




あたし達は登校してくる生徒の注目を浴びながら紗枝子さんの話を聞いた



学校さぼって蓮とデート・・・・思いもかけない出来事に遠足を前にした




子供の様にうきうきする自分がいてちょっと笑えた










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