溺愛協奏曲
第6章
「莉子ちゃん、時間だからあがっていいよ~お疲れさん」



「もう、ここはいいから早く行きなさいよ!彼がお待ちかねよ」




店内をモップで掃除をしていたわたしに声を掛ける清香さんと蓮二さん




外に目をやるとバイクに寄りかかり煙草を吸う蓮が見えた



あれ?あたし終了時間言ったっけ?



疑問に思いながらすでにレジに入っている大学生の星野君にバトンタッチした



「おつかれ~莉子ちゃん」



「あっ・・お疲れ様です、掃除途中なんですけどあとお願いしてもいいですか?」



「いいよ~ねえねえ、外で待ってるイケメン君莉子ちゃんの彼氏~?」



「えっ////」



「やっぱそうか~俺莉子ちゃんのこと狙ってたんだけどな~先越されちゃったか」



あたしよりも一か月ほど早く入った星野さんは見た目かなりチャライけど



おもしろくってとってもいい人




いつも勤務中のあたしになにかあったりすると守ってくれるので感謝してるけど



かなり女癖悪いのが玉にキズ



「星野さ~ん、もう冗談はよしてください!あたし知ってるんですよ~

このコンビニに毎日違う女の人が尋ねてきてること、そのうち刺されても

知りませんよ~じゃあお疲れさまで~す」



ひらひらと手を振り更衣室へと急ぐ



後ろから星野さんの誤解だよ~という声が響きわたった



苦笑いしながらロッカーを開けコンビニの制服からそそくさと着替える




着替えるといっても上着を替えるだけ



下は制服のブラウスなのでこのままでオッケー



「はあっお腹すいたな~冷蔵庫に何入ってたっけ?」



頭のなかは晩御飯のメニューが駆け巡っていた








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