溺愛協奏曲
「蓮、考え過ぎだよ~星野さんはバイト先の仕事仲間ってだけで・・・」



はあっ



蓮が深い溜息をついて呆れたようにあたしを見る




「莉子が鈍感でよかったよ、世間じゃ色々お前のこと言うけどこの手の

ことにはお子様だってことがよくわかった・・・ほら行くぞ」



「ひゃっ・・なにす・・・ん」





ヒョイとあたしを軽々と抱き上げバイクに乗せるとヘルメットをかぶせた




ピンクのヘルメット・・・かわいい



「蓮・・・このヘルメット・・」



「ああ・・・買ったんだ、このメット莉子専用」



にっこり笑って蓮もヘルメットをかぶる



莉子専用って言葉がちょっとくすぐったくってうれしい



「しっかり掴まってろ、振り落とされるぞ」



「安全運転でお願いします・・・」




「莉子乗せてんだから安全運転に決まってんだろ」



蓮の言葉を信じたあたしが馬鹿だったのかもしれない




あまりのスピードに蓮が運転するバイクには二度と乗らないと心に誓ったわたし



蓮に家まで送ってもらうと冷蔵庫の余りもので夕食をつくりその日も



泥のように眠った





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