溺愛協奏曲
「ここって東條組のものでしょ?そのトップの蓮のお父さんから了解もらってるし


大丈夫よ、それにあたしのほうが莉子ちゃんよりずっと前からここに来てるんだし


全然問題ない!そう思わない?」



「まあそう言われると何にも言えないけどよ~蓮や涼がいいなら俺は

構わないけど・・・」



拓巳くんがちらりと園田君と蓮のほうを見た



蓮はさっきからあたしの後ろで髪の毛に指を巻きつけたりして遊んでる



って・・・・いいかげんこの体勢恥ずかしい




「ふっ・・・拓巳だってわかってんだろこいつはほんとに昔っから


ここに出入りしてた、親父たちがここを族として溜まり場にしてた頃からな



まあ、病気や引っ越しなんかで来れない時期はあったりしたみてえだけど



茜は昔っから自分で決めたことはぜってえ曲げない奴だってこと忘れたか」



「そうだった・・・茜はそういう奴だってことすっかり忘れてた」



溜息をつきながら冷蔵庫から缶コーヒーを取り出すとソファに座り一口飲み干した




すると、いままで黙っていた園田さんがパソコンのデスクからふいに立ち上がると



拓巳くんの隣に座った



「ここも新入りが多くなってきたから拓巳はそっちのほうを心配してるんでしょう


女の出入り禁止なのに誰の女でもない茜ちゃんが出入りして問題がおきないかって



そうでしょう拓巳・・・・・茜ちゃんのこと知ってる奴は大丈夫だと思いますけど」



眉間に皺を寄せ考え込む園田君



ウエストに回る蓮の腕をぎゅっと掴むと後ろに居る蓮に向けてつぶやいた



「茜ちゃんはずっと前から来てたんだしあたしの友達だから大丈夫よね」



「ああ・・・大丈夫だ新入りにもちゃんと説明しとく」



ぎゅっと強く抱きしめるとあたしのこめかみにキスをした














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