溺愛協奏曲

「ああ、こんにちは久しぶりね、体のほうはもう大丈夫よ


ところであなた名前なんて言ったかな？えーっと・・・・」




「千葉です、千葉直哉っす！」



「ああ、直哉君ね思いだした！蓮が言ってたわ、女みたいな可愛いやつが入ったけど


怒らせるとめちゃめちゃ恐くて喧嘩が強いって」



「そんなこと言ってたんすか～女みたいなってとこがちょっと気になるっすけど～」




あたしの一言に小躍りして喜ぶ直哉君



蓮が可愛がるのもわかるような気がする



基本的にここに出入り出来るのは蓮と拓巳と涼君の三人の了解がなければ出入り


出来ないきまりになっている



だからここに出入りしている人は皆、三人を尊敬し、信頼しているし憧れを



もって見ている人も多い




「ねえ、直哉君倉庫の中が騒がしいけどなんかあったの？」




さっきから倉庫のなかの皆がざわざわとしていて興奮状態で話をしている人や



ひそひそ話をしている人が大勢いた




その中から漏れ聞こえる言葉



「あの女嫌いの蓮さんが・・・・」



「やっぱり彼女・・・・」




などの声が多数聞こえた



「あ～蓮さんが女の子を連れてきたんっすよ、それで皆噂してるんです

ここはあの三人の女以外はここには出入りできないっすからね～


こんなこと初めてなんで・・・・あっ茜さんは昔から出入りしているので


問題ないと思いますけど」



直哉君の言葉に一瞬頭をよぎったのは莉子の顔


二階にいるのはもしかして莉子？



ここにはあたし以外の女が入ったことなんかないのに・・・・



無我夢中で倉庫の階段を駆け上った


後ろから拓巳と涼君の声が聞こえたような気がしたけど



あたしの耳には届くことはなく呆然と立ち尽くすあたしが居た