溺愛協奏曲
「俺になんか言うことねえか?」



えっ・・・・・




蓮もしかして今日のこと全部しってる?




俯いたまま黙りこくっているあたしに溜息の蓮



「護衛の奴に聞いた、今日バイト先に派手な女が来て莉子の顔


叩いて帰って行ったって・・・びっくりしてその女捕まえようと


したみてえだけど偶然茜が居合わせてあたしがなんとかするって



護衛の奴に言ったみてえだけどそのことで茜と今までいたのか」




「・・・・・・うん」




見上げると蓮の射抜くような瞳



何時になく真剣な表情の蓮に目を逸らせなくなった



「莉子・・・・正直に言え、その女に何か言われたのか?


言ってくれねえと対処のしようがねえ・・女とはいえ


俺の女に手をあげたんだ見つけ出して一言言ってやんねえと


気が済まねえ!」



怒りをあらわにする蓮は拳を握りしめ今にも飛びかかっていきそうな




勢いだ、すると突然抱きしめられ甘い香水の匂いがほのかに広がった



やっぱり蓮のこの香りは安心する



心臓の音がとくんとくんと聞こえてきた




あたしは蓮のシャツをぎゅっと握りしめると抱きしめられたまま呟いた




「蓮を返してって言われた・・・・」




「あ?なんだと!」




「本気の女ができたっていうから調べてきてみれば


あんまり子供だから驚いたって・・・・あなた蓮を



満足させてやれるのって・・・・」



「ちっ・・・・」




舌打ちをすると更に抱きしめる力が強くなった























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