溺愛協奏曲
甘くほのかに香る香水の匂いと心臓のとくんとくんという音を聞いていた



抱きしめられると安心するのは蓮だから?



「話す前に、今から俺んち行くけどいいか?」



「へ?蓮の家に?今から?」



「親父が逢わせろって聞かねえんだ、突然でわりいな」



頭を撫でるとこめかみにそっとキスをした



蓮の家って東條組だよね



あたしなんかがお邪魔していいのかな?




っていうかあたし手ぶらなんだけど・・・・・



よそのお宅にお邪魔するのに!



「なんだよ、百面相して・・・なんか気になることでもあんのか?」



「あたし手ぶらじゃん、よそのお宅にお邪魔するのに・・・」



「んなこと心配してたのか大丈夫だ、それより叩かれたとこまだ痛いか」



優しく頬を撫でる手が心地いい


撫でてくれる手をぎゅっと掴むとニッコリ微笑んだ




「うん、もう大丈夫・・・でも正直びっくりした」



「俺も聞いて驚いた、莉子と逢うまでの俺は正直褒められたもんじゃねえから


お前が軽蔑すんのも仕方ねえ、その女のこと言われてもあんまり覚えてねえし


過去の俺を軽蔑してくれても構わねえけど莉子と出会ってからの俺自身は


否定しないでくれ」


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