溺愛協奏曲
抱きしめられる力が強くなる



蓮の思いが伝わってきて黙って頷いた



白いシャツをぎゅっと掴むと蓮の胸にすり寄る



「なんだ、今日は甘えんぼだな」



「違うの、ちょっと眠いだけ・・」




ホントは抱きしめてくれる蓮の腕の中が心地よくて・・・・



甘えたかった・・・ってのはほんと



眠いなんて強がり言っちゃったけど・・・



ふと車窓を見ると大きな門構えの日本家屋が見えてきた



「若、着きました」



えっ・・・・もしかして・・




ここですか?




重厚な日本家屋の門には東條組の文字




車が門前に停車すると組員であろう人が扉を開けた



慌てて蓮の膝の上から降りる・・・っていうか見られたよね



恥ずかしい!



「「「「「おつかれさまっす」」」」」



どすの聞いた声で挨拶をするのが聞こえてくる



黒スーツの男たちが沢山整列しているのを見てしばし呆然



「莉子、行くぞ」



「あ・・・うん」



蓮に手を引かれ車を降りるとおーっと言う歓声が木霊する



引きずられるように歩いていくと穴があいてしまうんじゃないかと思うほどの



視線を感じ玄関へと急いだ





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