【特別番外編】苦手な教師

後で大学が一緒だったということを告げると真山もようやく思い出してくれたようで、少しだけ昔話をした。


「――あ、授業開始五分前なので失礼します」


真山がそう言って、職員室から去ってしまうまで。


……せっかく大学時代の先輩と再会したというのに、真山はちっとも嬉しそうじゃない。

五分前に移動するなんて、僕と話していたくなかったみたいじゃないか。

実際、話してる間中真山はクスリとも笑わなかった。


「中身の読めない人間は苦手だな……」


そう呟いた僕だったけど、これから教師生活をともにしていけば関係も改善するだろうとのん気に構えていた。

その関係が改善するどころか、悪化するとも知らずに……

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