♡恋人争奪戦♥


 できたのはカレーだった。


 「はい、どうぞ♪」


 「わー、すげえうまそ。頂きます♪」

  
  和人はすぐさまカレーを口に運ぶ。


 「うまっ!!さすが瑠衣ちゃん♪家でも
  やっぱりつくってたの?」


 「はい、母は海外にいるし、父は帰り
  が遅いことが多かったので、家事全  般は私がこなしていました」



  すると和人は手を止め、優しい表情 で瑠衣を見た。


  「幼い頃からそんなに苦労してたか   ら、こんなに優しい子に育ったん   だね」


  再び和人の手が瑠衣を撫でた。


  ガタンッ!!


   和人の前に座っていた廉が突然
  立ち、


  「……ごちそうさん」


  と、不愉快そうな顔をしながら居間
  を出て行った。

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