空気はこんなことを考えている
ぼくも、ほんのちょっとだけ芝居っぽいことをやってたことあるんで、見てて分かるんですけど、役者さんには、演技を作りこむタイプと、作りこまずにほとんどあるがままの自分で勝負するタイプがいるのです。


ほとんどの役者さんが、作りこむタイプです。主に役者一筋に生きてきた人がそんな感じですね。香川照之さん、大杉漣さん、田村正和さんなんかは作りこみが細かくてすごいです。


あるがままの自分で演じるタイプで有名なのは、北野武さんでしょうか。北野武監督の映画に出るひとは、演技があるがままな感じのひとが多い気がします。寺島進さんとか。古いところだと、三船敏郎さんなんかもそのタイプです。


作りこむタイプの役者さんは、役になりきるために、自分の個性を殺します。逆にあるがままタイプは、自分の個性を押し出すので、強く印象に残りやすいのです。その代わり、その役者自身に魅力、存在感が備わってないと通用しません。


哀川翔さんには、その魅力があるのです。
ぶっちゃけ、哀川翔さんは演技下手です。
役者経験は長いのに、いまだに台詞が棒読みっぽいところがあります。
しかし、その目付き、表情、動き、鼻をつまみながら喋ってるような声色などに、なんだか独特な魅力を感じるのですよ。
他の役者には無い、哀川翔だけがかもしだせる空気というものを確かに持っているのです。


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