秘蜜の秘め事
えっ、これって…?

まさかのシチュエーションだ。

これって、いわゆる“手を繋ぎましょう”って言うヤツだよね?

「梨衣?」

シチュエーションに戸惑っているわたしを、古沢さんは不思議そうに名前を呼んだ。

「あ…はい…」

自分の手を古沢さんに重ねた。

ギュッと、手を繋がれる。

わ、わ、わ…恋人繋ぎだー!

ど、ど、どうしよう!

心臓はバクバクと、うるさい。

古沢さんに聞こえていないかな?

エレベーターと言う密室の中、わたしの心臓は鳴りっぱなしだった。
< 114 / 440 >

この作品をシェア

pagetop