秘蜜の秘め事
「わー、美味しそう!」

わたしは声をあげた。

「マスター、覚えていたんですね」

古沢さんは嬉しそうにマスターに言った。

「当たり前だよ。

古沢さん、お昼にはいつも頼んでいたじゃない」

マスターは得意げに言った。

「じゃ、ごゆっくりどうぞ」

ペコリとマスターは会釈すると、また奥の方へ行った。

「オムライス、好きだったんですか?」

スプーンを手に持つと、わたしは聞いた。

「まあね。

こればかり頼んでいた1番の理由は安かったから、なんだけど」

古沢さんは笑った後、オムライスを頬張った。

「うん、懐かしい♪」

古沢さんは嬉しそうに食べ進めた。
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