秘蜜の秘め事
彼の嬉しそうな顔を見ていたらわたしも嬉しくなって、オムライスを頬張った。

「美味しい!」

たまごのふわとろ感とケチャップライスの混ざり具合とデミグラスソースが濃厚で最高だ。

「気に入ってもらえてよかった」

古沢さんは嬉しそうに笑っている。

「あっ」

わたしは声をあげた。

「どうしたの?」

古沢さんが聞く。

「ご飯粒が、ほっぺに…」

「えっ、ああ」

古沢さんは頬に手を伸ばす。

「反対です、左です」

「えっ、左?」

わたしは彼の頬に手を伸ばして、ご飯粒をとってあげた。
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