秘蜜の秘め事
古沢さんだった。

「あ…おはよう、ございます…」

返したあいさつは不自然になっていないだろうか。

何故か、わたしと彼の間を沈黙が包み込んだ。

何か言わなきゃ…。

そう思っていた時、
「1人で暮らしているの?」

古沢さんが聞いてきた。

「えっ…ああ、はい…」

彼の質問にうなずいて答える。

「ご両親は?」

彼が続けて聞いた。

「母は仕事で海外の方に行っているんです」

わたしが答えると、
「お父さんは?」

続けてしてきたその質問に黙った。
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