秘蜜の秘め事
わたし、重たいよね?

ファンの子に嫉妬して、真にも嫉妬して。

どう考えても、重たい女だよね?

沈黙。

その沈黙がすごく怖い。

別れを告げられたら、どうしよう…。

「そばにいる」

古沢さんのその言葉に、わたしは顔をあげた。

わたしが顔をあげたことが嬉しいと言うように、古沢さんは笑顔を浮かべた。

わたしが好きな、優しい笑顔。

「僕は、梨衣のそばを離れない。

今も、この先も、ずっと」

古沢さんの手がわたしの手に触れた。

つかまれて、ギュッと繋がれる。
< 132 / 440 >

この作品をシェア

pagetop