秘蜜の秘め事
「だから、僕のことを信じて欲しい。

僕が梨衣から離れない代わりに、僕を信じて欲しい」

「でもわたし…」

古沢さんと繋いでいる手は、震えている。

「わたし、テストを利用して真と距離を置こうとしてた…。

本当は成績が悪くなってもいから、真に会いたかった…」

「わかってる」

震えているわたしの手を慰めるように、彼はさらに繋いだ。

「僕は梨衣が好きだ。

梨衣が好きだからそばにいるし、離れない」

「真…」

名前を呼んだら、古沢さんは微笑んでわたしを抱きしめた。
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