秘蜜の秘め事
進学した大学は、共学だった。

去年まで女子校に通っていたわたしからして見れば、男の人はちょっと怖い。

ああ、真以外はね。

彼がわたしの横を通り過ぎた後、わたしは校舎へ向かった。


「はい、今日の社会学の授業はここまで」

先生の声でザワつき始める大教室。

4時限目の社会学の講義が終わった。

ふう、やっと終わったよ…。

90分も授業を受けるなんて、地味にキツい。

後は今日帰るだけなので、机のうえに出してある教科書と筆記用具とルーズリーフをカバンの中にしまった。

「――あれ?」
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