秘蜜の秘め事
わたしが口を閉ざしたことに古沢さんは眉を下げて、
「ごめん、言いたくなかったよね?」
と、謝罪した。

これじゃあ、全然会話になっていない。

わたしの方からも何かしゃべらないと…。

「お仕事だったんですか?」

考えた末に出てきたセリフだった。

このセリフに当たり障りは…ないと思う。

「いや、眠ってた。

隣で物音がしたら起きて見にきただけ」

そう言った後、古沢さんはあくびをした。

どうやら、起こしてしまったらしい。

「すみせん、お邪魔したみたいで…」

今度はわたしが謝罪をする番。
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