秘蜜の秘め事
「まあ、変わっていないのは…髪の毛くらいかな?」

きぃちゃんの視線がこちらに戻った。

「えーっ、何よそれー」

わたしは返した。

確かに髪の毛は生まれつきで、当然のことながら変わっていない。

「だから一目でりっちゃんだってわかった」

きぃちゃんはおどけるようにウインクした。

「もう何よー。

さっきは変わったとか、キレイになったって言ってたくせに…」

ふてくされたと言うように横を向いたら、
「あー、そのくせも変わってないね。

機嫌が悪くなると横を向くの」

きぃちゃんに笑われてしまった。
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