秘蜜の秘め事
わたしが帰ってくると、真はいつもこうして迎えにきてくれるのだ。

「おかえり、梨衣」

ギューッと、真がわたしを抱きしめた。

「ただいま、真」

真の背に両手を回した。

帰ってきたら抱きしめあうのも、習慣と化してしまった。

「今日の晩ご飯は何がいいですか?」

抱きしめた状態のまま、わたしは聞いた。

「今日は梨衣が作って欲しい」

真が返した。

「えー、昨日もわたしでしたよ?」

不機嫌になったと言うように返したら、
「梨衣の作る料理がいいんだもん」

真に返された。
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